どうも。赤銅にょろん(@nyoron_kieli)です。
オススメされた曲を勝手に実質キーリ判定する企画ももう第四弾。
たくさんご紹介いただきありがとうございます。
世界にはこんなに実質キーリイメージソングがあると思うだけで元気が出ますね!
それでは今回もレビューしてまいりましょう!!
ポラリス(Aimer)
Aimer「ポラリス」「DAWN」
amazarashi「千年幸福論」ですー!特にAimerは、終盤の聖母感溢れるキーリの様な曲が多いので、どの曲を聞いても素敵なんです😊
— 霙(みぞれ) (@mizore_kiri) 2018年10月20日
Aimerさんをご紹介してくださった方は二人目ですね。
複数人から推されると間違いなく実質キーリなんだな…という思いが強まります。
沈黙の夜凪に漂った小さな船は
体中 傷を背負った 旅人のせた ゆりかごになった
悲しげなその寝顔は もう誰も 寄せ付けないそぶり
ここが今 どこか知らずに 北へ 北へ ただ向かう
(作詞:aimerrhythm『ポラリス』より引用)
「船」は砂の海を連想させますね。
「傷を背負った旅人」はハーヴェイのことでしょう。
2巻でオル・ハンに裏切られてショックを受けている様子が見られます。
〈砂歩き〉号から小さなボートに移った場面を思いだしました。
砂の海を漂う小さなボートは流されるままに終着点に向けて進んでゆく。
人間不信が決定的になった、とボヤくハーヴェイ。
そんなハーヴェイに対してキーリが言った、
「あのねっ、もし世界中の全部がハーヴェイの敵になっても私は絶対に味方だから。だから私のことは信じてくれて大丈夫だからっ……」
(著:壁井ユカコ『キーリⅡ 砂の上の白い航跡 』P295より引用)
というセリフがこの曲にピッタリ合います。
いつだって 彷徨って 辿る道もない波の上
船はすすむ ただ 漂いながら
そうやって生きていく 今は二人で
行く先は知らない
(作詞:aimerrhythm『ポラリス』より引用)
もう決してハーヴェイを一人にしない、そんなキーリの決意を歌った素敵な曲です。
確かに、実質キーリです。
DAWN(Aimer)
やさしいメロディに決して揺らがない強い意志を持った歌声が実にキーリらしい。
地上(ここ)でしか見えないものがあって 地上(ここ)でふたり出会えた
行く宛のない旅路だとしても もう二度と迷わない 願いは 一つだと誓う
(作詞:Hidenori Tanaka『DAWN』より引用)
先ほどの『ポラリス』では、ずっと一緒にいられる確証もない中で、ただハーヴェイの支えになりたいという思いで咄嗟に「私はハーヴェイの味方だから」と言ったキーリ。
しかしこの曲では、長い長い旅路を共に歩んできて、さらにお互いに想いを深めた様子がみてとれます。
もう悟ってますよね。
何があっても手を放さない、ずっとそばにいる、眠らないハーヴェイの長い夜に朝を知らせる存在でありたい。
推薦文に書かれていたようにまさしく聖母感溢れるキーリの歌です。
尊さが降り注ぐ実質キーリ曲です。
千年幸福論(amazarashi)
いや~~~~、不死人ソングですねぇ。
千年続く愛情を 千年続く友情を 千年続く安心を 千年続く幸福を
僕らは望んで止まないけれど そんなもの何処にありましょうか
(作詞:秋田ひろむ『千年幸福論』より引用)
核の寿命がどれくらいなのか知らない不死人たちは百年、千年、もしかしたら永遠に終わりなどないのかもしれないという思いを抱きながら生きてきたことでしょう。
他の人と異なる時間を生きる彼らは、いつも周囲の変化に置いていかれてしまう。
会うたびに年を取っている友人、人の心も時の流れで変化する、変わらないものなんてない。
いつ裏切られるかもしれない、いつ教会兵に見つかり追われるかも分からない、安心などない日々。
彼ら不死人が求めていたのは、普通の人間が当たり前に手にできている本当にささやかなこと。
キーリに出会って、愛情や安心を知って、自分の核に寿命があることも分かり、いつか必ず終わりがくることを知る。
終わりがあるから美しい そんなの分かりたくもないよ
終わりはいつも早すぎる
(作詞:秋田ひろむ『千年幸福論』より引用)
「終わりはいつも早すぎる」
ベアトリクスも、ヨアヒムも、この言葉が当てはまりますね。
そしてキーリとハーヴェイと兵長の旅路も。
不死人たちには、これまで生きるのが嫌になるほどの時間があったのに、キーリと出会ってからの時間はどうしてこんなに短いんでしょうね……。
『キーリ』という物語自体、完結したからこそ美しいのは分かっていますが、ずっとずっと終わりなど来なければいいのに、と一読者として思わずにいられなかったことを思い出しました。
不死人の想いだけでなく、読者の想いまで代弁してくれる実質キーリ曲です。
うたかた(ポルノグラフィティ)
ポルノグラフィティ「うたかた」
RADWIMPS「有心論」
どちらもすごくハーの気持ちだと思うのです。平井堅「LOVE OR LUST」
ヨアみがあると…!記事楽しみにしてます!
— よりこ (@Rico_Yoooo) 2018年10月20日
私、この曲が入ったベストアルバム持ってますー!
あまり気にしたことはなかったですが改めて聞くと実質キーリですね……!
ノスタルジックを感じる曲調と優しい歌声にハーヴェイの穏やな想いを思わせる一曲。
この曲にも「海」「旅人」「道しるべ」が登場しますね。
「蜉蝣」の短い命をキーリに重ね、いつの間にかキーリを大切に想い、いつか来る別れに不安を抱く様子を描いています。
薄明り這いつくばってでも行かなくちゃ
あなたまではひどく遠い
だけど足を止められない
(作詞:岡野昭仁『うたかた』より引用)
1巻213ページ、教会兵に追われキーリと別れた辺りを思いだします。
また、1巻271ページ、キーリとの約束を守るためにボロボロの身体で前に進む場面にも合います。
いやもう全巻こんな感じなんだけど。
なんでこの人いつもボロボロなん?
こんな気持ちを知っただけでも
幸せだと言えるのだろう
(作詞:岡野昭仁『うたかた』より引用)
タダイに幸せかと尋ねられ、
「今はまあ、悪くはないよ」
(著者:壁井ユカコ『キーリ 死者たちは荒野に眠る』P138より引用)
と言ったハーヴェイ。
ハーヴェイの長い長い人生に、兵長とキーリとの出会いはとても温かい“幸せ”をもたらしたことでしょう。
心までじんわりと温まる実質キーリ曲です。
有心論(RADWIMPS)
語りかけるように一人きりだったハーヴェイの嘆きを歌い始め、
サビでは突然世界が開けたかのように広がりを感じる曲調でキーリとの出会いを表現しています。
明日を呪う人間不信者は 明日を夢見る人間信者に
もう昨日を探してた僕はいない いない
(作詞:野田洋次郎『有心論』より引用)
人間不信者だったハーヴェイは、キーリを信じてもう少し生きてみようと考えるようになりました。
その後の早口部分は二人で過ごす時間の短さを感じさせます。
キーリがいなくなって再び生きる意味を見失ったハーヴェイ。
しかし心の中でたくさんの思い出と共にキーリが生きていることに気付く。
今はもういないキーリに支えられて、愛されて、ハーヴェイはまだ生き続ける。
そんな風にも思えるし、9巻の疲れて休んでいる状態のハーヴェイのことのようにも思えます。
どちらにしろ、キーリがかけがえのない存在であるということが伝わってきて尊い。
実質キーリです。
LOVE OR LUST(平井堅)
ヨアみがあるとのことでご紹介いただいたこの曲。
愛か欲望か。
一夜の遊びのような危うさを秘めた歌詞ですね。
本音しまい込んで 夜に食らいついて それでも自分探しつづける LOVE OR LUST
(作詞:Ken Hirai『LOVE OR LUST』より引用)
教会側に属し、同族を探していたヨアヒム。
教会兵に捕まって仕方なく従っていた感じには見えませんでしたね。
部下を与えられ指揮権を与えられるほどの地位を得ていました。
彼の本音は一体何を探し求めていたのでしょうか。
仲間が欲しかった?
ハーヴェイにとってのキーリのような存在が欲しかった?
それすら見失って探し続けていたのは自分自身だったのかもしれませんね。
ヨアヒムの想いを馳せて胃がキリキリしたので実質キーリです。
視聴埋め込みできるのがなかったので、以下のiTunesページにてご視聴ください。
LOVE OR LUST – 平井 堅
誦読 つじつま合わせに生まれた僕等(amazarashi)
MVのポエトリー部分では、ぽつぽつと雨が落ちるように紡がれる言葉は次第に強くなり、やがて必死に絞り出すような言葉へと変わってゆく……。
内容もハーヴェイの心情の吐露という感じがします。
それが終わり、始まる歌がまた凄い。どう聞いても不死人の歌じゃないですか。
『つじつま合わせに生まれた僕等』=不死人 だとしか思えません。
amazarashiは先ほどご紹介した『千年幸福論』も不死人の歌でしたし、不死人ソングが得意なんですかね?
ふざけた歴史のどん詰まりで 僕等未だにもがいている
結局何も解らずに 許すとか 許されないとか
(作詞:秋田ひろむ『つじつま合わせに生まれた僕等』より引用)
生まれたくて生まれたわけじゃなくて、戦争のせいで、戦争の為に、誰かを助けるために、誰かを殺すために、生まれた不死人たち。
戦争が終結しても、死ぬことも許されず、あるいは戦争が終わったことすら知らずに彷徨い続ける不死人たち。
それでも世界を愛する不死人の歌。
キーリと出会って世界の美しさを改めて知ったハーヴェイの歌です。
不死人という存在を後世に伝え続ける実質キーリ曲です。
つじつま合わせに生まれた僕等(2017) – amazarashi
まとめ
今回はハーキリの尊さを歌ったものから、ヨアヒムの孤独を歌ったもの、不死人のことを歌ったものまで幅広く、キーリのディープな世界に想いを馳せることが出来ました。
作詞家の方はもしかして全員キーリを読まれたことがあるのでは?
……なんてね。
あなたが好きなあの作詞家も読んでいるかもしれない電撃文庫『キーリ』を読んでください。
コメント